皆さんの家庭で使われている主なエネルギーとして電気とガスがあります。それぞれの特徴は以下の通りですが、ガスは電気・熱・冷気など様々なエネルギーに転換することが出来るほか、エネルギー効率の良さや暖房時の立ち上がりの早さという点で優れています。
電気 | ガス | |
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主原料 | ○天然ガス・石油・石炭(火力発電)
○ウラン (原子力発電) |
天然ガス |
主な供給方法 | 送電線を用いて送電する。 | ○地下に埋設したガス管を通じて供給(都市ガス)
○家屋の横に設置したボンベで供給(LPガス) |
エネルギー効率 | 約40%(発電時の熱が利用されないことや、送電ロスによる) | 100%(輸送中のロスが無い)
※ガスを使って発電する場合も、コージェネレーションシステムを用いて発電時の熱を利用することによりエネルギー効率は75~80% |
他エネルギーへの転換 | 熱、蒸気、冷気 | 電気、熱、蒸気、冷気
※特に「熱」には強く、暖房の立ち上がりの早さは抜群。 |
一つのエネルギーから複数のエネルギーを発生させることが出来るシステムを「コージェネレーションシステム」と呼びます。都市ガスから電気を生み出す際に発生する熱を捨てることなく利用してお湯や蒸気を作るため、エネルギー効率が非常に良いのが特徴です。
家庭で日々利用されている「ガス」には、大きく分けて「都市ガス」と「LPガス(プロパンガス)」があります。都市ガスはガス管(導管)を通じて供給され、LPガスはボンベに充填して配送される、というのが大きな違いです。
都市ガスの特徴 | |
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主原料 | 天然ガスやLNG(液化天然ガス) |
主成分 | メタン |
質量 | 空気より軽い |
供給方法とメリット | 導管を利用して供給するため効率的であり、ボンベの交換も必要ない。 |
LPガスの特徴 | |
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主原料 | 液化石油ガス |
主成分 | プロパンやブタン |
質量 | 空気より重い |
供給方法とメリット | 主にボンベに充填して配送されるため、都市ガスの導管が敷設されていない場合でも利用できる。 |
地球温暖化を抑制するために、CO
2(二酸化炭素)排出量の削減に向けた積極的な取組が求められています。都市ガスの主原料である天然ガスは、他の化石燃料と比べ燃焼時に排出されるCO
2が最も少ないのが特徴です。
大気汚染の原因となるNO
x(窒素酸化物)やSO
x(硫黄酸化物)の排出量も少ないなど、非常にクリーンなエネルギーです。
都市ガスの原料である天然ガスはその多くを海外から輸入していますが、調達先の多様化によりリスクの分散化が図られており、安定的に調達することが出来ます。また、当社では千葉県内で豊富に産出される天然ガスも利用することで、更なる安定調達を実現しています。
このように調達先の多様化を図ることは、価格交渉力の強化にもつながります。
千葉県は天然ガスの産地であり、年間の生産量は約4.4億㎥(2018年)。可採埋蔵量は約800年と言われています。
キッチンまわりやガスファンヒーターなどをはじめ、ミストサウナ、床暖房など至るところで活躍。お客さまの快適な生活をサポートしています。
また、近年、家庭用燃料電池「エネファーム」の設置も進んでいます。
都市ガスから取り出した水素を使って発電し、発電時の熱を利用してお湯も作れる省エネ・省CO 2に貢献するシステムです。停電時にも運転を継続し、万が一のときにも電気やお湯を使うことができる機器もあります。
レストランの厨房や、冷暖房として利用されています。「涼厨(すずちゅう)」といって、厨房内の温度上昇を抑えたガス厨房もあります。また、ガスを使って冷暖房を行っている商業施設もあり、「GHP(ガスヒーポン)」が多く用いられています。
室外機のコンプレッサーをガスエンジンで駆動し、ヒートポンプ運転(熱を低温部から高温部へ汲み上げる)によって冷暖房を行う空調システムです。廃熱を回収して有効利用することで、高い暖房能力に加え、節電が可能なシステムです。
燃焼性・省エネ性に優れる都市ガスは、ボイラや工業炉など様々な工場で使われています。また、コージェネレーションシステムを用いてガスから作った電気と熱を利用していることもあります。
都市ガスを燃料に燃料電池やタービンなどで発電するほか、このとき発生する熱を蒸気や温水に変えて供給する「省エネ」「省CO 2」のシステムです。
人口が集中している都市部に導管網を敷設し効率的に都市ガスの供給を行う事業者のことを「都市ガス事業(一般ガス事業)」と呼んでいましたが、ガスシステム改革により「一般ガス事業」は他社との契約や自社の小売部門の要請に基づいてガスの製造を行う「ガス製造事業(LNG基地事業)」、ガス導管網の維持運用・敷設・保守などを行う「一般ガス導管事業」、ガスを供給・販売する「ガス小売事業」という新たな事業類型への見直しが行われました。
現在全国には193(私営173、公営20)の都市ガス事業者※があります。京葉ガスは私営事業者の1つで、お客さま件数は全国の都市ガス事業者中、第5位の規模を誇ります。
※2022年3月現在。日本ガス協会の資料では一般ガス導管事業者を「都市ガス事業者」として集計。